スティーブ・ジョブズがiPhoneで我々の生活に革命を起こしてくれましたが、デザイン業界にもそれまでの常識を一変するくらいの影響を与えてくれました。以前はレイアウト上で白いスペースがあれば何か情報を詰め込む、そんな事が当たり前の状況でした。依頼するものづくり側はデザイナーではないので作り手の想いとして、「コレもアレも伝えたい」と思ってしまうのです。しかしそれでは何を一番に伝えたいのかがわからなくなってしまい結局ものづくり側の想いがお客様に伝わりにくくなると説得しても、なかなか聞き入れていただけませんでした。
そんな時にアップルのiPhoneが真っ白のパッケージで発売されかっこいいパッケージの代表になってくれた事で、ものづくり側にも説得しても理解してくれるようになってきました。
アップルのパッケージは基本的に引き算のデザインで表示を極力減らし伝えたいことを絞り込んでシンプルなデザインにしていく。このようなシンプルなパッケージの登場以降は似たようなパッケージが乱立しています。この手法も扱う商品しだいではあります。iPhoneのように誰もが知っている商品はこの戦略がブランド力を高めるいい手法なんだと思います。
下の写真は2014年にイスタンブールのデザインコンサルタントが発表したものですが有名な商品をミニマル化しています。
Le Flat Design appliqué au packaging
本来のパッケージデザインから表示をそぎ落として最後はロゴだけのデザインになっています。下の2商品はロゴすら使わなくてもフォルムとカラーで商品の認識ができます。これがブランドの力なんでしょうね。
海外のデザイナーのKunelGaurは、彼のBrutalistBrands写真シリーズで興味深い作品を発表しています。商品のロゴを使わず白黒のみでデザインすることで、飾り気のないパッケージになっているます。しかしコカコーラやハイネケンなどはデザインテイストが残っているのでわかりますが、バドワイザーやマクドナルドはちょっと違和感しかないですね。せめてカラーかロゴが表示されていないとマクドナルドとは認識できない人も多いのではないでしょうか。
Ce designer revisite les packagings célèbres de manière minimaliste en noir et blanc
下の写真はロゴの表記はありませんがカラーとシンボルの特徴的な部分だけでそのブランドだと認識できます。引き算のデザインといっても引くものを間違うと解りづらくなってしまうので残すものと無くすものをしっかり見極めてデザインする事が大切です。
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